相続登記の義務化とは?「実家の名義そのまま」も対象です
2026年10月7日更新:所有不動産記録証明制度・登録免許税の免税措置を追記しました
2024年(令和6年)4月1日から、相続した不動産の登記(名義変更)が法律上の義務になりました。対象は今後の相続だけではありません。何十年も前に相続したまま名義を変えていない実家も対象です。期限と手続きを整理します。
何が義務になった?
不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、 相続登記の申請をすることが義務になりました。 正当な理由がないのに登記をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
- 施行日:2024年(令和6年)4月1日
- 期限:不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内
- 遺産分割がまとまった場合:遺産分割の日から3年以内に、その内容に応じた登記も必要
- 怠った場合:正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象
過去の相続も対象になる?
「施行前に相続した分は関係ない」と思われがちですが、違います。 施行日(2024年4月1日)より前に相続した不動産も義務の対象で、 施行日か取得を知った日のいずれか遅い日から3年以内に登記が必要です。 つまり、以前から名義変更していなかった多くのケースで、2027年(令和9年)3月31日が期限の目安になります。
こんな家は要注意
「実家の名義が亡くなった祖父のまま」「きょうだいで話がまとまらず放置している」—— こうした家は、売却しようとした時に相続人の調査や遺産分割からやり直しになり、 時間も費用も大きくかかります。空き家の処分を考えるなら、登記の状態確認が最初の一歩です。
相続する不動産が分からないときは?
所有不動産記録証明制度は、2026年2月2日に始まりました。 相続人などが法務局に請求し、亡くなった方が所有権の登記名義人になっている不動産を一覧で確認できます。 「実家以外にも土地があるか分からない」ときなど、期限までに登記する物件を調べる際に役立ちます。
ただし、検索条件の氏名・住所と登記上の記録が異なる不動産や、所有権が登記されていない不動産は載りません。旧住所なども確認し、一覧だけで全物件を把握できたと判断しないことが大切です。 証明書の取得は相続登記の代わりにはならず、登記の期限も延びません。 請求できる方・必要書類・手数料は法務省の制度案内で確認してください。
登録免許税が免税になる土地は?
一定の土地の相続登記には、2027年3月31日まで登録免許税の免税措置があります。 上記の過去の相続に関する登記期限と同じ日付ですが、免税の適用期限は別の制度です。 免税対象でも相続登記は必要で、全員の登記期限がこの日になるわけではありません。
- 100万円以下の土地:個人が相続(相続人への遺贈を含む)による所有権移転登記、または表題部所有者の相続人として所有権保存登記を受ける場合が対象です。
- 相続登記をしないまま相続人も亡くなった土地:その亡くなった相続人を登記名義人にするための登記が対象です。次の相続人への登記まで一律に免税になるわけではありません。
100万円の判定は売値ではなく、原則として固定資産課税台帳の価格で行い、持分の取得ならその割合を掛けます。この免税措置は土地が対象で、建物や司法書士報酬などの費用まで無料になる制度ではありません。適用には申請書への根拠条項の記載が必要です。 評価額の低い土地や、何代も名義変更していない土地は、法務局の対象要件・記載例を確認し、法務局または司法書士に相談してください。
遺産分割がまとまらないときはどうする?
相続人同士の話し合いがまとまらず、3年以内に通常の相続登記ができない場合のために、 「相続人申告登記」という簡易な手続きが用意されています。 自分が相続人であることを法務局に申し出ることで、義務を果たしたことになります。 ただしこれは一時的な措置で、遺産分割がまとまったら改めて登記が必要です。
空き家を売るには登記が必要?
相続した空き家を売却するには、原則として売主への名義変更(相続登記)が済んでいる必要があります。 また、売却時に使える相続空き家の3,000万円特別控除には「相続開始から3年目の年末まで」という期限があり、 登記に手間取っているうちに期限を過ぎてしまうケースもあります。
「登記はまだ」「家財も残ったまま」という状態でも、段取りの整理から始められます。相続空き家の相談ページから、住所と分かる範囲の状況をお送りください。
出典・参考(公式情報)
※本記事は制度の概要をまとめたもので、法務相談ではありません。個別の手続きは法務局または司法書士にご確認ください。制度内容は法改正により変わることがあります。
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